面接メモ

就職活動のシーズンですね。そして、就活といえば面接です。あと小論文とか。
「面接対策って大変……」とか「自己アピールって何言えばいいの?」とか。悩みを持っている人は少なくないはずです。もちろん、自分もこれに含まれます。
さて。
僕は現在、来年の教員採用試験に向けて、週に一度講座を受けているわけですが、そこで学ぶ事柄は一般企業の面接でも使うことが可能だったりします。
今日はあまりの寒さにテンションがおかしいので、つらつらとポイントを書いてみようと思います。僕の書くことに賛同する必要はありませんので、「ふーん、そういう考え方もあるのか」という程度で読んでいただければと思います。



面接の受け答えについて。この3つのポイントから解説していきたいと思います。
1. 結論は最初に持ってくるべし。
2. 平凡な答えは避けよ。
3. 前置き、言い訳をするな。
4. ナンバリングを活用せよ。
あ、4つになっちゃった。ま、いっか。





1. 結論は最初に持ってくるべし
この考え方は、面接だけでなく小論文にも使えます。
いわゆるパラグラフ・スピーキング、パラグラフ・ライティングの発想のことです。
パラグラフ・ライティングというのは、初めに導入文、次に展開文、最後に結語文をもってくる構成の方法です。
面接・小論文、いずれにしても「わかりやすさ」というのは大切です。読み手・聞き手の頭にスッと入ってくる言葉というのは、それだけで評価されるものです。なぜならそれがキチンと出来るようにトレーニングしている人は稀だから。
導入文とは、通常一文であり、冒頭に置かれる「その文章で述べる話題・主張を読者や聞き手に知らせる働きをする文」のことです。言い換えれば、主張そのもの、結論そのものであるといえます。ユニークであり、展開文の内容がある程度予想できるものが理想であります。
展開文とは、通常三文以上でであり、「導入文を受けて、その話題(主張)を詳しく論じたり説明したりする文」のことです。導入文の主張を深く展開させるわけです。ここをうまくするためには、導入文の主張を明確なものにしておかねばなりません。
結語文とは、「文章が終わることを示し、読者に一般的なメッセージを与える一文」です。方法としては3つ。(1)主題文を別の表現で言い換える。(2)文章の要点をまとめる。(3)主題から引き出せる一般論を一言で書く。
導入文、展開文、結語文で特に大切なのが、導入文です。なぜなら、展開文は導入文の具体的、詳細な説明に過ぎず、結語文そのものについては大きな内容は含まれていないからです。導入文がうまくいかないと、後は総崩れになってしまいます。
導入文とは、結論のことです。ここでいかにインパクトの強い言葉を使うかどうかが、相手の評価を得るためのキモになるわけです。
じゃあどんなことを答えればいいのか、については2でお話します。
あ、ここまで読んでみて、得るものがなかったという方はブラウザの戻るを押すことをお勧めします。同じような語りが延々と続きますので……。






2. 平凡な答えは避けよ


「平凡は罪悪である」


僕の通う講座の先生がよく口にする言葉です。
平凡ということは平均だということ。平均程度の評価で合格できるのは2倍の倍率までです。
1で話したのは、語り方です。ここでは語る内容についてお話したいと思います。
面接での受け答えにおいて、もっとも簡単に抜きん出る方法とは何でしょうか?
答えは簡単ですね、個性的なことを語ることです。
ここで注意するべきことは、個性的であってもイロモノであってはならないという点です。「みんな違ってみんなよい」というのは面接ではありえません。
大切なのは、「常識・良識の範囲内において、他の人とは異なる切り口で語ること」です。
結局言っている内容が他の人と同じであっても、聞かせ方、語り方が違えば、面接官の受ける印象というのもかなり違ってきます。1で話した構成法というのもそこに関わってくるわけです。他の人がくどくど話す中、ビシィと構成に基づいた話し方をしたならば、まず間違いなく目立ちます。無論、良い意味で。
具体的な方法は、4のナンバリングの項目で詳しく語りましょう。



さて、ここでひとつ悪い例を紹介したいと思います。飽和がいかに恐ろしいものか、理解していただけると思います。
みんな大好き自己アピール。そこでありがちなことです。


自己アピールにおいて、もっとも避けるべき回答というのはどんなものでしょう?


それは「笑顔・元気」をアピールすることです。


「笑顔・元気」のアピールには、大きなリスクが付きまといます。
リスクひとつめ。「笑顔・元気」というのは、特筆すべき能力がない者であってもアピールできるという大変魅力的な素材です。そのため、10人いたら3〜4人はそれで答えてしまうというくらいに飽和してしまいやすい。「笑顔・元気」をアピールしたその瞬間に、その他大勢にカテゴライズされてしまうわけです。すなわち平凡化してしまうということ。
リスクふたつめ。「笑顔・元気」というのは、雇用側からすれば最低条件に過ぎないことが多い。これを満たしたからといって、果たしてそれが大きな利益を生み出すでしょうか? 「笑顔・元気」をアピールするということは、「私は最低条件を満たしています」というアピール程度にしかならないんです。つまるところ、プラスが少ないわけです。
リスクみっつめ。「笑顔」というのは飽和しがちな上に、アピールが非常に難しい。「私の魅力はこの笑顔です」とか言っておきながら、表情が引き攣っていた日には目も当てられません。もっと言えば、本当に「笑顔」だけで相手を魅了することの出来る人というのは非常に稀なんです。もしできるのならば、営業なり俳優なりホストなり、なんでも食っていけることでしょう。
まぁ、そんなわけで、「笑顔・元気」単品でのアピールというのは、選んではならない爆弾のようなものなんです。これを主題にするということは、面接官にプラスの印象を与えるチャンスを放棄することを意味します。
ここまで散々こき下ろしておいてなんですが、「笑顔・元気」にも使い道はあります。
それは、「笑顔・元気」とは関係ないことを語りつつ、しっかり笑顔をつくって、やわらかい雰囲気を保つことです。
「笑顔・元気」は主菜には不向きなものの、副菜にはバッチリ向いています。
「私は元気がありますよー」と言ってアピールするのではなく、元気とは関係ないところで、「ああこの人は元気がある人だな」という印象を面接官に抱かせること。これがポイントですね。
言で示すのではなく、態度で示す。笑顔と元気はそうやって使わねばなりません。





3. 前置き、言い訳をするな
面接の対策講座を受講したことがある方ならば、この言葉の意味はすぐにわかるのではないかと思います。
そう、「一文は短くせよ」ということですね。
何かを語る際、前置きを置いてしまうとどうしても言い訳臭くなってしまいます。
たとえば……。



Q. サークル活動について聞かせてください。
A. はい、私は4年間野球部に所属していまして、さまざまな活動の中でいろいろな体験をしてきました。初めは球拾いばかりだとか、野球場を使えないランニングや素振りなどの基礎的な練習ばかりだとかをしていたため、何度もやめようかと思ったのですが、練習を繰り返していくうちにだんだんと自分の能力が伸びていくのを感じまして、チームの仲間と協力し、最終的に試合で県大会で優勝して、そのときになって初めて野球をやっててよかった、と実感しました。



ふぁーっく!!
ああー、書いててイライラしました。平凡な上に内容がねぇ!!
まぁ、突っ込みどころ満載なわけですが、僕の言いたいことはなんとなくわかって頂けたかと思います。いろいろって何だよいろいろって……ちなみに、「いろいろ」「たくさんの」「さまざまな」といった抽象的な言葉はできるだけ使わない方がいいです。
接続詞の多用というのは、よくやってしまいがちなミスのひとつです。これをしてしまうと、全体的に冗長で締まりのない語りになってしまいます。
一文一文は短く、内容は簡潔にまとめること。これが重要です。
そうですね……僕は野球の経験はあまりないのですが、最初の導入文にもってくるとしたら、「スポーツに必要なもの、それは忍耐と科学です」なんかが思いつきますね。スポーツ系のサークル・部活をする人は、得てして努力、チームワーク、成功について言ってしまいがちなのですが、「科学」に触れる人は案外少ない。この主張を唱えた後に、野球に必要な忍耐とな何なのか、科学とはどういうことなのかを短い文で語れたら良いのではないかと思います。
ああ、ちなみにこういう「サークル活動は?」といった質問に対して、「はい、○○部です」という返答を導入文の前に挿むことがあります。これはゼロ・センテンスと呼ばれるもので、必要に応じて使用しなければなりませんね。場合によってはこれがないと、質問に対する完全な回答になりません。





4. ナンバリングを活用せよ
導入文において「これから語る内容は○個ある!」と、先に言ってしまう手法です。実際に「〜である!」なんて言い方はしませんよ?
ナンバリングの利点は3つあります。
ひとつめ。話し手が頭の整理をしやすい。
自分が何について語ればいいのかについて、脳内で目次を作るわけである。なので、ひとたびナンバリングしておけば、自分が話さねばならない内容で、「ええと、次は何を話そうか……」ということはなくなるはずです。
ふたつめ。聞き手が理解しやすい。
今まさに僕自身もナンバリングをしているわけですが、これをするのとしないのとでは、読みやすさが格段に違うと思います。加えて、ナンバリングされた語りというのは、聞き手からすると非常にメモを取りやすいものであるといえます。最初にポイントを言ってくれるのですから、そのキーワードをメモするのに手間が生じないわけです。どこが結論なのかわからないような語りでは、メモを取る方も困ってしまいます。
みっつめ。長さの調整がききやすい。
30秒語る場合、1分語る場合、3分語る場合。場合によって、回答の内容を変えるのは大変です。ナンバリングのメリットとは、時間のよって語りの内容・構成を大きく変化させる必要がないという点です。たとえば、自分の魅力を「すぐやる,必ずやる,最後までやる」とアピールするとしましょう。当然、これら3つのパーツには詳細な説明が必要になります。アピール時間が長いのならばその説明の量を多くし、短いのならば説明を少なくします。ここが、ナンバリングのもつ柔軟性ですね。あらかじめ、自分の信念に基づいた事柄をアピールするのであれば、加える説明量を調整することはさほど難しくないはずです。もちろん練習は必要ですが。
ナンバリングのメリットは以上です。もちろんこれらは僕が思いつく限りを挙げたに過ぎないので、実際はもっとたくさんのメリット、あるいはデメリットがあるのだと思います。
ですが、自分の回答の「型」を作れずに困っているという人は、この方法を採用することをオススメします。
あと補足ですが、ナンバリングする際は、項目は2〜3つにするのがベターです。4つ以上だとなかなか覚えてもらいにくいので。



さて、ナンバリングについて、もうひとつのポイントがあります。
正直疲れてきたので簡潔に書きますが、それは「言葉の持つ響きとリズム」です。語呂の良さ、とも言えますね。
これを意識するのとしないのとでは、聞き手の印象というのは大きく違ってきます。
テレビCMを思い出してみましょう。大企業のCMというのは、実に多用なキャッチコピーを採用していますが、それらはほとんどが耳に優しくリズムのよいものばかりだと思います。
たとえば。



セブンイレブンいい気分
カクカクシカジカ四角いムーブ
インテル入ってる(Intel Inside)



などなど。
ここで言いたいのは、導入文でナンバリングを使う際に、リズムを意識すればそれだけでオリジナリティはぐっと高まるし、聞き手の印象もよくなる傾向が強いということです。覚えやすい、というメリットもありますね。
対句、頭韻など。レトリックを駆使したキャッチコピーを作ることは、効果的な戦略であるといえます。少なくとも、自己アピールに手を加えておくことは、決して無駄ではないと思います。一番聞かれる可能性の高い質問ですし、長所・短所の質問などにも転用がききます。
ひとつ、面白い回答がノートにあったので、それを例として紹介しましょう。韻は踏んでいませんが、面白い回答です。



Q. 職業に就くとはどういうことだと思いますか?
A. プロフェッショナルになるということです。そして人をプロにするのは、こだわり、情熱、誇りです。自分の仕事にこだわりをもち、常に妥協しないこと。情熱をもち、常に成長しようと心がけること。誇りをもち、自分しかできない仕事なのだという意識だという意識を常にもつこと。こだわり、情熱、誇り。この3つが人をプロにします。



いかがでしょうか? かなーり、簡潔ですが、ナンバリングの特徴は現れていると思います。
すべての質問に対してナンバリングで答えるのはアレですが、この手法は知っておいて損はないと思いますよ。





今回のこのトピックについては、ご意見ご感想など、いただきたいところであります。是非に。



あー、疲れた。次は夢日記にいきますか。。。