テキスト

どっかで聞いたか見た小話。ググったら出てくるかも。


「俺、来月からカリフォルニアにあるサンディエゴ支社に転勤なんだ」
「おいおい、大丈夫かよ」
「なにが?」
「そこってたしかゲイタウンがあるくらいゲイの多い街だろ」
「でも、ゲイだからといって見境なく襲ってくるわけはないだろう?」
「まあな。だが万が一ってことも考えておいたほうがいい」
「どうすりゃいいんだ?」
「簡単さ。もし襲われたら、『俺はエイズだ!』と言ってやればいいのさ」
「なるほどなぁ、覚えておくよ」


in カリフォルニア


帰りが遅くなってしまったのがいけなかった。俺は運悪くマッチョな男に捕まってしまい、ほいほいと路地裏に連れ込まれてしまっていた。
彼の目は情熱的でもあり、野獣的でもある。ぶっちゃけていうと、俺の尻は非常にピンチなのである。何がどうピンチなのかは言いたくもない。察してくれ。
“Hu...hu...I love, I love you!”
(ちくしょう……ヤバイ、こいつは)
そんな時、俺は日本で会社の同僚が言ってたことを思い出した。
(そうだ! エイズだ!! 「俺はエイズだ!」と言ってやればいい!)
俺は迫ってくる彼の顔を手で押さえつつ、
“I am AIDS!!”
そう言ってやった。
すると、彼は俺に哀れむような目を向けて、それから微笑みかけてきた。
彼はそのたくましい腕で俺の頭を抱き寄せると、耳元に熱い息を吹きかけつつ、そっとささやいた。


“Me Too.”


……元ネタはもっと簡潔だった気がします。うろ覚えなのでだらだら長くなってしまいましたね。