雑記

山際に、あかみを帯びたきいろいお月さんが浮かんどった。
数刻もせんうちに床についてしもうた。
今度会うときゃ、まあるいお顔を見せておくれ。



小さい頃、月の夢をみました。
その夢の中では月にピエロのような顔があって、目があうたびに怖いことをしてきたんです。具体的にどんな怖いことをされたのかはよく覚えていません。だけど、とにかく怖いことでした。
夢というのは記憶の断片が繋ぎ合わさったものであると聞いたことがあります。幼い子どもはまだ経験が乏しく、夢の中の出来事でさえも経験、記憶にしてしまいます。そのせいで僕は昔から同じような怖い夢ばかり見ていました。
夜の夢。僕は「空を見たらアイツがいる」という恐怖に怯え続けます。実際、空を見てしまったならば、なかったはずの月が浮かんでいて、その月には顔があります。そして目が合います。自力で目を覚ます術を知らない僕は、ただひたすらに怯えていました。
ことあるごとに僕の夢の中に出てくる「月」。それのせいで僕は小さい頃月を見るのが嫌いでした。夜寝るときにベランダの窓から月が見えようものなら、必死で目を閉じて父や母にしがみついたものです。晩に外を歩くときも必死で下を見ながら、「月が出てる?」と同伴する父母に尋ねていました。


まぁ今となっちゃいい思い出ですね。今の自分は月を楽しむ余裕すらもってます。
月に限らず花鳥風月はすべて楽しむようにしてます。春夏秋冬でどれが好きかと聞かれたとき、昔は冬の一択だったのですが、最近は「全部」と答えるようにしています。
今の自分が怖いもの……なんでしょうね? ホラーゲームなんかは苦手ですが好きですし、怖いものというのはあんまりないかも。苦手なものなら結構あるのですが。
ちょっとニュアンスの違う怖さですが、人間が怖いですね。ニュースで見るような子殺しや殺人、横領や贈賄、そんなことを平気でする人間を見るたびに人間って怖いなぁと思います。
でも、一番優しくなれるのも人間だったり。