英語ネタ

問題です。以下の2つの文で、より丁寧な表現はどちらでしょう?


①Help yourself to the cookies.
②Please help yourself to the cookies.


正解はです。ある程度、英語の勉強をしてきた人ならば「えーっ?」と思ってしまうことでしょう。実際、僕も驚きました。
「'Please'が付いてるんだから、②のほうが丁寧でいいんじゃないの?」と思ってしまいがちなのですが、②のような場合、ネイティブの感覚としては逆に不自然に感じてしまうそうです。
丁寧な依頼表現ってありますよね。「Will you...?」とか「Can you...?」とかそういうのです。このように丁寧な表現を用いるのは、およそ相手にお願い・依頼をする時です。つまり言うなれば、相手にとっての「不利益(cost)」をお願いする時です。「手間をかける」「時間を割く」などの、不利益を被るようなことをお願いする場合、丁寧な表現を用いるのは間違ったことではありません。授業中、教授に'Open the window'なんて言った日には張り倒されるかもしれません。
話を戻しますと、上の②のような表現に違和感を感じてしまうというのは、その発言の内容が相手にとって「利益(benefit)」であることだからです。例えば、椅子に座るのを促すのに'Do you mind sitting on the seat?'など言ったところで、言われた者からすると「椅子に何か仕掛けてるのか?」と勘ぐってしまうような気持ち悪さがあるそうです。普通、このような場合は'Take a seat'ですね。日本語にすると、「どうぞ」ぐらいのニュアンスでしょうか。
そんなわけで、相手にとって「利益」となることを申し出る時にはよりくだけた言い方で話すほうが良いみたいです。残念ながら、僕はL2話者……つまり第二言語として英語を話すので、その辺りの感覚はつかみかねるのですけど^^;


ああ、蛇足ですが「Will you...?」と「Can you...?」では、「Can you...?」のほうが丁寧な表現らしいです。
この場合、丁寧さの基準となるのは「断りやすさ」です。断りやすい質問の方が相手にとってはより丁寧に感じるそうで。前者は、言うなれば「〜する意思がありますか?」という意味で、後者は「〜することはできますか?」という意味ですよね。どちらが断りやすいかとなると、そりゃ後者でしょう。なぜなら「いいえ、それをする意思はありません」と言うより、「いいえ、それはできません」と言う方が言いやすいはずです。
無理に日本語に直してしまったので屁理屈臭い感じがしますが、わかりやすさを求めるのであれば、この説明が良いそうです。