んー洞窟。洞窟の中でしたねー、あれは。海水に浸食されてできた広い洞窟です。天井は高く、海は深く、水は澄んでいました。
そんな中、僕は海の中を泳いでいました。海面から5mくらいの深さだったでしょうか。海底すれすれを泳いでいました。
すると、前方からでっかい白熊が泳いできました。凄まじいスピードで迫り来るクマを避けられるはずがありません。海中で僕はあっさり捕まり……もとい、右足の脛を甘噛みされました。痛みはありませんでした。
海面に向かって泳ぎ、洞窟の中に点在している小島によじのぼりました。そこには鉄製のケースがありました。一辺が2mくらいの立方体でした。
何が行われるのかと思っていると、見知らぬ男がやってきて、ぶつ切りにした何かを箱の中に詰めていきました。中は四次元なのか、明らかに容積以上の量を詰め込もうとしているのにすいすいと入ります。
「それはなんですか?」
「白熊です」
よくよく見ると、詰め込まれているのは白熊のパーツでした。血は出ていませんでした。頭と前足が手前に飛び出していました。さっきのクマなのかどうかはわかりませんでしたが、なんだか悲しくなりました。
ケースに蓋がされたところで目が覚めました。
細部は曖昧ですが、白熊に噛まれたのだけはしっかり覚えていますね。